大学院 工学研究院 附属 環境工学研究教育センター

Center for Research and Education of Environmental Technology

Faculty of Engineering

 

概要

アジア・アフリカ諸国勃興に伴い環境問題は深刻化しているが、多くの場合、産業活動や人間生活に関わる他の諸課題との間に強い相関がある為、ある1つの問題への対処が他を悪化させるジレンマを持っており、解決の為には広い分野にわたる問題発生に対し包括的な対処が可能な方策が必要となる。また、様々の分野の急速な産業振興に伴い環境問題の様相も急変しており、即応して効果的な対処を可能とする連携研究者の柔軟な組み換え体制が必要となって来るが、分野的にも人員配置の面でも長期にわたり固定化した従来の部門組織による対応には限界がある。更に、昨今の中国からの汚染物質飛来による日本での光化学スモッグの再発生に見られる様に、環境に関わる諸問題は、「各地域(ローカル)で発生した問題が、様々の伝播機構(インターフェース)により、広範な領域(グローバル)に広がり、到達した地域(ローカル)に影響を与える。」という共通の発生機序を持つ為、一地域内の施策により一時的に解決した様に見えても、未解決地域からの被害が及び再び環境悪化につながる事はよく知られており、ローカル、インターフェース、グローバル各階層についての対応が組み込まれたグローカルな視点からの技術開発・施策でなければ根本的な解決を行う事はできない。

これらの状況への効果的な対処を行う為、本センターでは、環境問題発生機序の各段階に対応した受け皿(研究ハブ)を設置し、その傘下に、社会趨勢に即応する時限付課題を掲げた研究ユニット(人事構成の変更が容易な部局内兼務制度の活用による、工学研究院の各部門研究者が分野横断的に柔軟に集散する流動的なまとまり)を複数配置し、産業の急速な発展に伴い急変する環境諸問題の実効的解決とともに、広い分野にわたる参加研究者間の知見の相互共有により参加研究者自身の複線型研究キャリアの形成や広い分野への流動化促進を目指している